塗装表面に突如現れる「水ぶくれ」。
塗装時には確かに綺麗に作業が出来ていたはずなのに、時間が経ってからこのような現象が起きるのは何故?と思う人もいるでしょう。
このページでは車の塗装面に発生する水ぶくれの仕組みから、発生する原因、発生してしまった際の対処法についてご案内しています。
塗装表面に水ぶくれが発生する仕組み
上塗りであるクリアー塗装と、中塗りであるカラー塗装との中間部分に異物などが存在した場合、雨などの水分が上塗りの層から浸透して異物のある箇所に集中し、上塗りの内側から塗料が押し上げられて発生します。
塗装表面に水ぶくれが発生する原因
塗装作業時の原因
最も可能性の高い原因として挙げられるのが、塗装作業時の異物の混入で、次のようなケースが考えられます。
- 指紋、汗、磨きカス、汚れなどの残留(脱脂不足)
- 洗車後の乾燥不足(水分)
- スプレーガンによる塗装の際、エアーホース内に油分や水分が混入している
環境要因によるもの
- 常に水にさらされる環境にある
- 温度、湿度の高い環境下
塗装表面の水ぶくれの対策と解消法
対策
対策としては、塗装時に塗装面に異物が混入しないように気を付けることに尽きます。
屋外での塗装作業は避け、こまめに脱脂を行うなど、塗装面への異物の付着を極力防ぎましょう。
そして、水の浸透を出来るだけ防ぐためにも、上塗りのクリアーは複数回重ね塗りを行い、丁寧にしっかりと塗膜を作ることです。
解消法
水ぶくれ箇所だけをしぼませて綺麗に元に戻すといった方法はありません。
残念ながら水ぶくれの箇所および周囲の塗料を除去し、再塗装となります。
板金業者に塗装を依頼していた場合には、その業者に症状を伝えて相談しましょう。
自身で塗装を行っていた場合、せっかく上手くできたと思った塗装を除去するのは精神的にもダメージが大きい作業となります。
そのため自身で塗装を行う際は、特に上記の対策をしっかりと実施して臨みましょう。
塗装を除去するには次のような商品が必要です。
市販されている一般的な塗料はラッカー系のため、自身で行った塗装の箇所はシンナーで除去することが出来ます。
塗装箇所に吹き付けて、綺麗な布で拭き取っていく、を繰り返します。
スプレーする箇所によって「垂れ」が気になる場合は、車のボディに直接スプレーをするのではなく、布にスプレーをして拭いていく、という方法で行います。
ただし、塗装完了後しばらく日数が経っている場合には、除去するのに時間が掛かります。
ちなみに、車に元々塗装してある塗料はそもそも性質が異なるため、スプレーシンナーでは落ちませんので安心してください。
なお、ウレタン系の塗料はシンナーでは落とせません。
下記のサンドペーパーなどを使用して削り落とす必要があります。
その際、自身で塗装した箇所だけを綺麗に削り落とすということが出来ず、元の塗装部分も多少削ってしまうことにはなるります。
そのため、再塗装する際は前回塗装した箇所よりも範囲が広がってしまいます。
サンドペーパーを使用する際、下記のような商品を併用することで、対象箇所に対して均一な力で手で研磨作業を行うことが可能です。